設立趣意書

カジノ反対の市長を誕生させる横浜市民の会 

設立趣意書

                                          2021年3月15日

 今年1月8日、林文子市長と自民・公明の横浜市会与党は、市長の誘致表明以来1年半に及ぶ「カジノ誘致の是非は住民投票で決めるべき」とする市民の訴えと19万3,193筆に及ぶ署名を一顧だにせず、議会多数という力づくでわずか3日の審議で退けた。本来議会で検証すべきIRカジノのメリットやデメリットの審議は一切なく、市民と地域の代表者であるはずの市長と与党議員は、自ら住民自治を放り捨て憲法と地方自治法に基づく正当な住民の訴えを門前払いにした。

 市長と議会は、「この横浜市において代表民主制は正常に運営されているから住民投票で直接市民に意思を問う必要はない」と決めつけた。条例申請の法定要件を3倍も超えて集まった署名数こそが今横浜で代表民主制が正常に機能していないことの何よりの証拠と言わねばならない。市民の大多数がIRカジノに反対していることは、市長や与党がいかに住民投票を黙殺しても覆い隠せない事実である。

 環境と文化に恵まれた横浜を不健全なギャンブルの街、犯罪多発の街へと変えてしまう国策としてのIRカジノ構想は断じて認めるわけにはいかない。市は、市民の意思を示す住民投票に反対したばかりか、その後推進の態度を明確にし、実施方針を定め、事業者の募集手続きを開始した。今、私たちに求められていることはカジノ誘致に反対し、住民自治を尊重する市長を誕生させることである。カジノ資本が皮算用ではじき出した目先の金にとらわれ、市民の安全を、そして子どもたちの将来を売り渡そうとする勢力から歴史と文化の街、横浜を守るため私達は新たな取り組みを始める。市民の力を幅広く結集し、カジノに反対し住民自治を取り戻す市民による市長の誕生を期し、新たな運動体を結成し、前進していくことを宣言する。